ようやく映画「ブレードランナー2049」を観てきました。
たぶんネタバレがあると思いますのでお読みになる方は注意です。
前作が制作された1982年から実に35年経って公開された今作。
リドリー・スコットは製作総指揮に回っています。
出演者を見てみると、ハリソンフォードはもちろん、
エドワード・ジェームズ・オルモスも出演していて、
前作ファンの一人として感慨深いものがありました。
主演のライアン・ゴズリングの存在感も充分で、
一部で言われているような違和感は感じませんでした。
脚本はよく練られていると思います。
時折、非常に冗長とも感じる長いシーンや情景描写があるんですが、
これは前作同様の世界観を描く上では必要なものだと思います。
その意味でも163分という時間は必然ではないでしょうか。
とても良かったのは、主人公が大事にしているホログラム化した
女性のAIの人間味が上手く表現されていた点です。
レプリカントという人造人間がはたして愛を持ち得るかという
物語の根底の部分と重なるところなんですが、
とても詩的で哲学的なテーマをよく具現化していたと思います。
まあしょうがないんですが、昨今のエンターテイメント前面推しの
ハリウッド映画にあって、非常に独特の雰囲気とテーマ性のある
作品にまとまっていると思います。
前作が有名すぎるだけに、どうしても前作の番外編的な扱いになりそうな感じですが、
そもそも番外編にならざるを得ない宿命の映画とも言えるので、
いろいろな制約の中で制作陣もがんばったんだなというのが、
ひしひしと伝わってきました。